ご挨拶
本プロジェクト「制震構造化等の新しい概念による構造物の耐震性能向上プロジェクト」は,名城大学理工学部建設系3学科の教員12名による共同提案によるもので,文部科学省の平成19年度私立大学学術研究高度化推進事業のハイテク・リサーチ・センター整備事業部門に採択されたプロジェクトです.平成20年度から1名の教員が加わり,現在13名の教員で組織されています.
本プロジェクト提案の背景および目的は次のようです.東海地方では東海・東南海・南海地震の発生が危惧されており,特に東海地震は今後30年間の発生確率が87%にも達し明日起こってもおかしくない地震と言われています.最悪のシナリオでは,東海・東南海・南海地震が同時に発生する場合で,被害は関東地域から九州の広域に及び,死者約24,700人(阪神淡路大震災の約4倍),被害額は国家予算にも匹敵する(阪神淡路大震災の約8倍)といわれています.これらの巨大地震から住民や社会資本の安全を守り,高密化した現代都市の機能を維持していくためには,構造物の効率的な耐震補強が不可欠であることは言うまでもありません.しかも,最近の地震に見られるような上限および発生地域が定まらない大地震あるいは本震に匹敵する余震に対する余剰耐震性の担保という観点から,制震構造化を初め,高度な解析および実験に裏付けされた構造物―地盤系の新しい耐震性能向上技術の開発が喫緊の課題です.
プロジェクトの研究のため,①ハイパーフォーマンス・コンピュータシステム,②三次元地震波震動台,③大型構造実験装置,④精密中空ねじりせん断試験装置を整備致しました.これらの最新の装置・設備を十分に活用し,最先端であると同時に社会に役に立つ成果を上げるため,プロジェクトメンバー一同全力で研究に取り組んでいきたいと思っています.本プロジェクトにご理解をいただき,皆様方から一層のご支援,ご指導,ご鞭撻を頂ければ幸甚に存じます.
研究プロジェクト代表者
理工学部建設システム工学科 宇佐美勉